ハロウィンSS_2010

ハロウィンSS_2010
今日はやっとこ海ざる観てきましたー。2Dで!映画は二次元でいいんじゃないかな・・・。
さておき前作が迫力あったので、映画館で観てみたいなと思いまして。
すごいロケ大変だろうなーとか思いながら鑑賞しました。
パンフレットのインタビュー読んだら、やはり結構本物を使っていて大変そうでした(^^;)
・・・バックヤードと言うか演出とか観るの好きなんです(笑)。
お話の内容はネタバレにもなるんで割愛〜。



せっかくハロウィンなので突破SS。
仮装マンネリと言うかネタが○| ̄|_状態なので(遠い目)、仮装のような仮装でない話にしてみました。
オチはありがちですがね・・・!

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「うん?」
訪れた東方司令部。エドワードは違和感に首を傾げた。
「どうかした?兄さん」
アルフォンスがそれに反応して声をかけた。
「いや・・・何か、変な気がする・・・」
「あぁ、いつもハロウィンだったらお祭り騒ぎの東方司令部が今日は普通だから、それじゃない?」
ハロウィンの東方司令部。司令官の性格を反映して、行事には全力投球で例年だとそれは不思議な空間になっている。
だが見たところ、皆軍服だ。
「うーん。そう、なのかなぁ」
しかしエドワードは違和感を拭えなかった。
「嫌な感じ?」
兄の勘は野生の本能と言うか結構当たるので、アルフォンスは感覚を聞いてみる。
「いや、それはない」
「なら、しばらく放っておいて、忘れた頃にわかるんじゃない?」
「そっかな」
「そうだよ。じゃ兄さんは執務室でしょ。ボクは指令室行ってるね」
「おう」
嫌な感じがしないなら弟の言う通りだな、と、エドワードは廊下の分岐点で二手に別れた。


「ちーっす」
「・・・チンピラかね、君は」
ノックもせずに入った執務室。適当に挨拶すると、上官から苦言が届いた。
「いーじゃん、堅いこと・・・」
言いかけてエドワードはポカンとした。
「なにそのカッコ」
執務机ではなく部屋の本棚の前にいたロイに尋ねる。
「何って軍服だが」
「や、だっていつもと違う・・・」
「あぁ」
ロイは今気付いたと言うように、自身の軍服を見やった。
「ハロウィンなのでね。仮装をしようとしたんだが、セントラルのお偉いどもが急に邪魔しにきたから、軍服でいざるを得なくて」
全く、市民となコミュニケーションの場を潰してくれる、とロイはブツブツと言った。
「で?」
「先ほどまでねばって居座ってくれたおかげで日勤の定時間近になってしまったのだが、何もしないのはつまらないだろう?」
「いや、別にいいんじゃね?」
何てことだ、と嘆く上司に、エドワードは普通に仕事しろよ、とつっこむ。
「楽しめる事は楽しんだ方がいいじゃないか」
「まぁそうだけど・・・」
遊び心がないなぁ、と言われる。遊びすぎはどうかと思うが、まぁくそ真面目よりは良いか、と流されるように肯定しておく。
「で?」
「で、だ。手軽に出来るものとして、軍服の交換をしたと言うわけだ」
「あー、どうりで。何か変だと思ったんだ」
司令部に入った後の違和感。見慣れた軍人たちの階級章が、顔とマッチしていなかったからだ。
「そんなんやって混乱しねぇの?」
「外回りは通常のまま、内部は同チーム内でのみ交換、としているから問題ない」
まぁ他愛ないが多少は遊べるだろう?とロイは本棚から離れ机に寄りかかり腕を組んで笑った。
その仕草に密かにドキリとする。
「アンタは・・・ハボック少尉と交換?」
「ご名答。アイツ無駄にデカイからサイズ変えてやったがな」
はははと笑う。
その喉元は露だ。
ロイは普段、白いワイシャツに軍服の上着をきっちり着込んでいる。だが、その交換とやらでハボック仕様の黒いTシャツを着ていた。
そのせいでいつもは全く見えない身体のラインが見える。
太い首筋に浮いた鎖骨、鍛えられた肩や腕、逆三角形のラインにTシャツごしに隆起する腹筋。
思っていた以上に引き締まっていて。
「・・・」
うわ。
「鋼の?」
黙ってしまったエドワードにロイが怪訝そうに近付いてきた。
「え?あ、」
「どうかしたか?」
更に近付いてくる男に、急激に顔が熱くなる気がした。
「いや!何でもない!」
「顔が赤い。何でもないことはないだろう?大丈夫か?」
手を伸ばそうとしてきたロイに、
「うわぁっ!」
「たっ」
ベシ、と払いのけてエドワードは執務室から脱走した。



「な、な・・・」
たかだかTシャツを着た位で、何故。
「・・・お化けの仮装より驚かされんだけど」
ヘナヘナとエドワードは廊下で蹲った。


その後、現場担当よろしくロイに速やかに捕獲され、もっと驚く告白があった事を知るのは本人達と本物のお化けだけであった。

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