ラッキーデー?(SS)

ラッキーデー?(SS)
うおぉぉぉ眠いです・・・。
残業帰りに六本木で某バンドの企画見てきました。
残業からして色々後倒しな上に、帰りの電車も遅れ_| ̄|○
その車内で最近の私の残業の原因をネタに書き始めた話(笑)。
私には勿論可愛いあの子は来ないんですけどね(笑)。

で、途中で寝落ちし、こんな時刻です・・・。←アホ。

寝ます〜。眠い・・・気を抜くと寝てしまう(笑)。



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「−−−よし、終わった。帰るぞ」
定時を少し過ぎた辺り。
珍しくスムーズに書類が片付き、ロイはいそいそと帰り支度を始めた。
「こんな時間は久しぶりだな。帰りに古書店でも・・・」
仕事あとの少し出来た余暇、と言うものはラッキーな感じがする。明日は非番となれば尚更。
「まずは鋼の用に依頼していた本を取りにいって、」
情報!と言って嵐のようにやってくる子供の為に、日頃からめぼしい文献をキープして貰うよう馴染みの古書店に依頼を掛けているのだが、丁度昨日入荷の連絡を貰ったものがある。
なので、早速取りに行く算段をした矢先。

コンコン。

ノックの音にロイの動きが止まる。
「・・・」
この時間に、帰り支度もほぼ済んだのに、今更捕まるなど冗談じゃない。
しかし、残念ながら無視出来る立場でもない。
「・・・入れ」
イヤな予感を抱えたまま返事をすると、やって来たのは案の定緊急の追加書類だった。



「あー・・・ツいてないな」
あの後。
追加書類を終えて帰ろうとして、また微妙なタイミングでノックの音がして。
そしてまた追加。
それを三度ほど繰り返して。
すっかりタイミングを逃してしまった。
「本屋は閉まってしまったな・・・」
窓の外は夜の帳がしっかりと下りている。
「鋼のの本、取りにいけなかったなぁ・・・」
ギシリと椅子に深く腰掛けてため息をついた。
最初から行けない事が分かっていたら諦めも付くが、行ける、と思った後のスケジュール崩れは妙に落胆する。
まぁ明日が非番なのだから明日行けば良いと言えばそうなのだが。
何となく今日、手にしたかったのだ。

「・・・・・・・・・帰るか」
立ち上がってコートを手に取る。

コンコン。

「・・・・・・・・・」
つい良くない目つきでドアを見やってしまった。
「・・・入れ」
しかしやはり無視する訳に行かず、苦い気分そのものに低い声で入室を促した。
また追加書類だろうか。
アンラッキーの波はハマると抜けなかったりする。

しかし。
ドアの向こうに現れたのは。
「あ、起きてた」
「な・・・、鋼の」
金色の尻尾をなびかせた、彼の少年だった。
彼の登場に一瞬でいつも通りの顔に無意識に戻った現金な自分に苦笑した。
「久しぶりだな。しかし起きてた、とは?」
彼は覗き込むように一言発した後、テケテケと部屋の中に歩み寄ってきた。
「いや、中尉がアンタ忙しくてまだ居るけど、やっと一段落ついたから一休みしてるかも、って」
だから寝てるかも、って、と、チラリと上目遣いに顔を覗かれた。
相変わらず無意識に可愛い仕草にドキリとする。
「そ、そうか。しかしどうしたんだ?こんな時間に」
「あー、列車トラブルでさ・・・」
げんなりと子供が言った。
「あぁ、ポイント切り替え故障か」
追加で来た報告の一つにあった。
「そ」
子供は肩をすくめて、小さくため息をついた。
「それは災難だったな。今回の帰還は報告書か?」
「あ、うん」
「生憎明日は非番でね。今チェックするから夜遅いが少し待ってくれ」
先を急ぐ子だ。早めに見てやった方が良いだろう、と提出を促すと。
「いや、アンタ仕事終わったんだろ。今回しばらくこっち居るから明後日にでも見てくれよ」
ゴソゴソと鞄を漁り、紙束を渡してきたのを受け取った。
しばらくこちらに滞在か。なら明日は出勤にしておけばもしかしたら資料を見に立ち寄る彼に会えるかもしれないな、失敗したな、と少し悔やんだ。
「それなら宿で休んでからそれからでも渡しにくれば良かったのに。列車事故で疲れたろう?」
普段寝不足しながら歩き回っているので、なるべく彼を休ませたいのだが、子供はいつも反発してくる。
のだが。
「あー・・・うん、そうなんだけど」
「?どうかしたか?」
ハッキリしたものいいのエドワードがゴニョゴニョと口ごもる。
あー、とかうーとか唸る子供。
「鋼の?」
「あー・・・あのさっ」
「うん?」
何事か意を決したらしい子供が見上げてきたので続きを促す。
「悪ぃんだけど今晩アンタん家泊めて!」
パンっと錬成でなく手を合わせて来る子供に。
「・・・は?」
思わず聞き返した。
「いや今の事故で宿満杯でさー。銀時計見せりゃそりゃ泊まれるかもしんねーけど、子供抱えた母親とか差し置いて泊まる訳にもいかないし、だったら司令部の仮眠室でも借りるかー、って思ったんだけど、何か他にも交通トラブルがあったんだって?夜勤の人達でいっぱいだし」
そこにまた割り込むの悪いじゃん?と一気にまくし立てた。
「・・・」
「アルは忙しいなら手伝って来る、兄さんはちゃんと寝てね、って行っちまうし・・・」
語尾に元気が無くなる子供。
「アンタ明日非番なんだろ?どっかリビングとかの隅っこでも借りられれば、朝早く出てくし。あ、勿論静かに、」
「構わないよ。おいで」
慌てて迷惑はかけないから!と言う子供を遮って言う。
カッコつけて平静を装ったが、構わないどころか大歓迎だ。
「・・・良いの?」
おずおずと言う子供に内心感涙に咽びながら、表情は柔らかく笑いかける。
「もちろん」
「・・・ワリ、サンキュー!」
照れたように笑うエドワードに少しドキドキしながら「どう致しまして」
と笑いかけた。



思わぬ所のラッキー。
やはり今日はラッキーデーだ。

・・・この後、理性との戦いが待っているが。

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