If〜パパンと増田さん(SS)。

If〜パパンと増田さん(SS)。
本誌が大変な事になっているので、その前に!
やろうと思っていた「もしホーパパがエドと一緒に行動していてロイと会ったら」ネタを・・・(笑)。


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「ったくいつも良いタイミングでしゃしゃり出てきやがって」
まるで童話の王子のように人のピンチを察して助けに来るだなんて出来すぎている。
「嬉しい癖に」
「誰が!」
ニヤニヤと笑って近付く男を押しのける。
「んだよその顔!気持ち悪ぃーな!」
「その顔が好きな癖に」
「はぁ?!なに・・・」
「あのー・・・・・・」
何処までも揚げ足を取り続ける男に反論仕掛けたら、場にそぐわない間延びした声が割り込んで来た。
「んだよ!!」
「こちらはどちら様かな?エドワード」
興味深そうな様子でホーエンハイムが寄ってきた。
「テメェに関係ないだろ?!」
「関係なくは無いだろう。それにテメェ呼ばわりは寂しいなぁ」
「くっつくな!」
泣いちゃうよ?と擦りよるオヤジにシッシッと払う。
「・・・そちらはどちら様かな?はが・・・エドワード?」
「うぇっ?」
しばらく黙っていた男に普段呼ばれない名前を急に呼ばれてビックリして振り返った。
「あ、アンタ何名前で呼んでんだ?」
「随分親密そうだ。紹介してくれないかな?エドワード」
微かに不機嫌オーラを纏わせながらロイも近付いて来た。
何で不機嫌なんだ。
「〜〜、紹介するほどじゃねぇし!」
父親だなどとまだ言いたくないし、密かな恋人に父親をどう紹介しろってんだ。
「エドワード、お前と俺の仲でそれは酷くないか?」
「どんな仲だよ!っつかだからくっつくなっての!」
「冷たいなぁ。いつからそんな風になってしまったんだ。昔はもっと可愛かったのに」
「鋼の」
再び寄ってきたオヤジを押しのけると青筋を立てたロイが低い声を出した。
「あー、もううるせぇな!」
「ん?鋼のと呼ぶと言うことは軍の人かな?」
「国軍大佐ロイ・マスタングです。焔の2つ名も持っています」
何かに気付いたように言うオヤジにロイはいつも以上に恰好つけて言う。
珍しく敬語を使ったのは一応クソオヤジが年上に見えたからだろう。
「何を偉そうに・・・」
「実際偉い」
「あぁ君がマスタング大佐か」
ポンと手を打ったオヤジがノホホンとと言う。
「いかにも」
「いつもエドワードがお世話になっています」
「世話になってねぇよ」
オヤジに突っ込むが何故かロイに遮られた。
「いえいえ。彼には大丈夫だと言われるんですが危なっかしくて目が離せなくてついつい自分が手を出してしまうだけです」「オイコラ何言ってんだ」
「あぁ昔から落ち着きない子でね。やはり迷惑を掛けているようだね。申し訳ない」
「いえ私も彼の事を小さい頃から知っていますが、元気な子で。でもそれが彼の良いところと言うか」
「まぁ確かに元気な子だね」
「ずっと見守ろうと思っています」
だからお前の割り込む隙は無いと言うような男に
「あ、アンタ何言ってんだ・・・」
何か勘違いしている事に気付いた。
「それはとてもありがたいね。・・・息子を宜しくお願いします」
そんな空気の読めないオヤジはノホホンと笑って言った。
「・・・・・・・・・息、子?」
「エドワードとアルフォンスがお世話になりました」
「・・・・・・エドワードとアルフォンス・・・?」
「・・・大佐、コイツ俺のオヤジ」
固まった男に、正体を解説した。
「君の、父親・・・?」
「そう」
「・・・・・・・・・」
「おーい?」
無言のまま微動だにしない男をつつく。
「・・・・・・・・・てっきり、君の・・・・・・・・・年上が好きなのかと・・・」
「アホ言ってんじゃねぇ!」
有り得ない発想にプルリと震えた。
「エドワード?何だかマスタング大佐が固まっているようだが?」
「あー放っておいて良いよ」
「お父さん!」
不思議そうにしているオヤジに放っておけとその場を去ろうとしたら急に男が覚醒した。
が、言っているセリフが頂けない。
「おま、何言ってんだ!」
「お父さん!先ほどは失礼の数々お許し下さい」
「え?あ、うん」
「あぁ良く見たらその金髪、金の瞳、息子さんとソックリですね!」
「あー、うん。そうかな?」
「おいこら無能!テメェ何言ってんだ!クソオヤジも照れてんじゃねぇ!」
「息子さんとは長い付き合いをさせて頂こうと思ってます。ひいてはお父さんともこれから長い付き合いになると思いますので今後とも宜しくお願い致します!」
「俺に似て不束な息子ですが、宜しく」
「勿論です!」
「ちょっと待て!何勝手に話進めてんだ!」
人を置いて勝手に嫁入りみたいな話をする2人にストップを掛けるが、止まらない。
「いやぁエドワード、マスタング君良い人だね!俺達似てるって!」
「そんな理由で判断すんな!」
「いやぁ鋼の。直ぐに認めてくれたし、君の父上は良い方だな!今後深い話が出来そうだ」
「しなくて良い!」




「今敵の本拠地に乗り込み中なの分かっているのかしら・・・」
「・・・・・・さぁな」
ぎゃあぎゃあと騒ぐ三人にその場に居た者達は温い視線を送っていた。


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うーん?
ちょっと最初思っていた方向と書いているウチにズレちゃいました(^^;)。
まぁこれはこれで・・・。

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