1111*前編(SS)

1111*前編(SS)
「ポッキーゲームを知っているかね?」
「は?知らね」

また連絡も寄越さずいきなりやって来た子供は開口一番「腹へった!」と宣った。
執務室には何もないぞ、と言いかけて、今日は東の島国のお菓子「ポッキー」なる日だと言われ、頂き物をしていた事を思い出した。
・・・そしてもう1つ、糸目の准尉に蘊蓄を貰った事を思い出した。

「つかポッキーって何?」
自分の知らない言葉が気になったのか、子供はキョトリと首を傾げる。
「細長いスティック状の焼き菓子にチョコレートを絡めたものだ」
ホラ、とお菓子の入った紙箱を開けた。
「何、うまそー!」
甘いものに目がない子供が滅多に向けてくれない笑顔を浮かべ、手を伸ばしてきたのを、少々勿体無さを感じながらも避ける。
これよりもっと大物を狙っているのだ。我慢。
「やらないぞ」
「何だよ、ケチ」
笑顔を消してぶぅとむくれる子供をやはり残念に思いながら
「等価交換」
ニコリと笑いかけた。
「ちぇー。細かい事言ってると禿げるぜ?で、何?」
中々に辛辣な言葉を吐いてくれた子供はそれでも珍しい菓子が気になるのか、先を問うてきた。
「簡単だ。ポッキーゲームと言ったろう?ポッキーを使ったゲームがあってね。それに勝てばあげるよ」
「どんなゲームだよ?」
「おや、先に知らないと不安かい?」
「んな訳ねーだろ!」
負けず嫌いの少年をノセるように面白がった顔で言うと、案の定乗ってきてくれた。彼の愛らしい部分の一つである。
「結構。始めよう。途中リタイアも認めるぞ?」
「誰が!」
「ほう、言ったな?楽しませてくれよ?」
「当たり前!ぜってーリタイアなんかしねーからな!」
勝ち気な顔で受けて立ってくれた想い人に、片想いの大人は大人げなく内心ガッツポーズを取った。

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ポッキーの日と思い出して慌てて錬成。
間に合うか・・・?
ポッキー買ってこなかったので、前に買ったプリッツで(笑)。


今夜こそパソコン立ち上げられると良いな・・・。
ご連絡関係はすみません少々お待ち頂けますと幸いです。

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